Human Resources人材の雇用と人材開発
人材の雇用・採用の考え方
人材サービス業を核とする当社グループにとって、人材の雇用・採用は事業の根幹を成すテーマです。 当社グループでは、パーパスに込めた思いの中で、次への扉を開く人を増やし、「幸せな仕事」に向かって進む力で社会に貢献することを掲げています。 働くことを希望する人々の一人ひとりの専門分野、能力、ライフステージにより「幸せな仕事」は様々であり、多様な働き方が求められています。 当社グループでは、自社求人サイトの充実、リファラル採用※、WEB面談などにより新卒中途採用を問わず、積極的な採用を実施し、自分のライフステージに合った仕事をしたい人、専門性を活かし積極的に新しい仕事にチャレンジをしたい人、スキルアップを目指している人、自身のキャリアビジョンを実現したい人など、働く意欲ある人々に対し、広く門戸を開いています。
※リファラル採用: 自社の社員から友人や知人を紹介してもらう採用手法
役割に基づく公正な雇用・評価
当社グループでは公正な雇用・評価のため、労働基準法などの法令及び社会慣習に照らし合わせ、最低賃金を遵守するとともに生活賃金を確保し、国籍、人種、民族、宗教、信条、社会的身分、家庭状況、年齢、障がいの有無、性別、性的指向、性自認による差別的扱いが無い、同一労働同一賃金を実現します。
「人権方針」はこちら
社員一人ひとりが自らの価値を高め、モチベーション高く新たな扉を開くためのチャレンジができる風土の醸成を目指し、役割に応じた公正な雇用・評価制度を運用しています。従業員(契約社員含む)に対する定期的な業績評価とフィードバック・プロセスを設けています。また、業績に応じた賞与制度を設けております(賞与の無い契約を除く)。
技術・技能社員のスキル等の把握は、給与・昇給等の決定においても重要であり、同一労働同一賃金を基準として公正に反映できる制度運用を推進しています。 面談などによりコミュニケーションを図り、一人ひとりの能力と専門性を考慮したうえで、就業条件を明示し、希望する仕事に従事できるよう勤務先を選定しています。
今後は、より細やかに技術・技能社員の能力、専門性を把握し、各々の役割に応じた適正な処遇が得られるよう、統計やAIを有効に活用し、スキルやキャリア志向を的確に把握したうえで、さらなる納得度・満足度の向上を目指した仕組みの構築を検討していきます。
顧客企業先での就業でない、営業や採用や事務部門等で働く従業員については、直属の上司との年数回の個別面談を実施しています。 業務の進捗や成果、能力発揮状況などについてコミュニケーションを図るほか、将来的なキャリアビジョンに関する考えなどを共有することにより、納得度の高い評価の実現を目指すとともに、モチベーションの向上を図ります。
人材開発の考え方
当社グループは、従業員(契約社員含む)の区別なく、働く人一人ひとりの「幸せな仕事」に向けて、たくさんの扉を作り続けることが役割であり、人材育成や多様な研修機会もその扉の一つであると考えています。
人材ポリシー
当社グループは人材ポリシーを定め、4つのキーワードを掲げています。
・UP 個と組織の継続的な成長を促進する
・Fairness 年齢・性別など属性によらず、役割と成果に公正に報いる
・Challenge 成長に向けて行動する人に対し、更なる成長への支援や機会を提供する
・Diversity 成果向上に寄与する多様な働き方を応援する
この4項目に関連付けする複数のモニタリング項目からなるEXサーベイ(従業員エクスペリエンスサーベイ)を毎年実施し、人材開発における研修、人事制度や働く環境の整備等の効果を分析します。これにより、人材ポリシーの浸透や推進状況を可視化し、戦略的に人材開発を進めていきます。
オープンアップグループ人材委員会の開催
対象:業務執行取締役、執行役員
2024年6月期 2回
内容:人材ポリシーの議論、ダイバーシティに関する状況確認と研修
EXサーベイの目標
業務執行取締役の報酬の一つである中長期業績連動型株式報酬の評価項目に組み込まれており、人材開発に対する経営層のコミットメントとなっています。
目標:2024年6月期を基準1として、2027年度6月期までに1.2倍
EXサーベイは年1回実施されており、その結果をグループ各社で分析し、経営会議や人材開発に係る会議で要因分析と対策が行われます。
当社(ホールディングス)の人事担当執行役員が、各社のモニタリングと人材ポリシーに基づく共通的な施策の指示を行う監督体制となっています。そして、当社の取締役会に対して報告が行われます。
ダイバーシティに係る方針
・女性活躍推進
目標:2030年までに女性の管理職比率を30%以上
グループ各社において男女比のバランスを踏まえた採用戦略、また働き方の向上により女性社員にとっても活躍しやすい環境を拡充します。
また女性リーダー向けキャリア研修を実施しています(2024年6月期 3回 参加者計75名)
・障がい者雇用
目標:国の定める雇用率(2024年6月は2.5%)以上の雇用を実施。当該項目は当社設立以来、持続的に達成中です。
障がい者雇用を、グループ全体で推進する認定を受けた特例子会社においてグループ内業務の請負、リサイクルを積極的に活用した商品開発を推進しています。今後、在宅就業となる障がい者の雇用も強化します。
公正な評価、インセンティブ
役割定義、職能評価、業績評価、昇格、降格に関して、人材ポリシーを大きな方針としてグループ各社の会社規模や事業内容に応じて会社毎に最適な運用を目指しています。
従業員(契約社員含む)に対する定期的な業績評価とフィードバック・プロセスを設け、従業員の公正な評価と適切なインセンティブを行います。
・賞与
当社グループの従業員の基本的なインセンティブは賞与となります。
等級に見合う目標を半期毎に設定し、業績評価、フィードバック・プロセスを経て、達成度に応じて賞与の支給がされます。なお、執行役員など上位管理職は賞与が半期毎ではなく年度1回となっており、会社の財務的な年度の業績達成度を加味して決定されます。また、契約社員においても契約の選択により賞与制度があります。その他に、業績や社会情勢に応じて全従業員に対し賞与を支給することがあります。
・従業員持株会
グループの従業員は持株会制度に応募することができます。定期的買い付けで企業価値の向上を従業員が株主と共に共有する中長期のインセンティブとなります。当社は従業員の買い付けに対し、10%の支援金を行っています。
・ESOP
グループ各社の執行役員(役員ではなく従業員)の報酬には、当社株式のESOPのインセンティブが組み込まれています。
職位に応じて基準となる株式ポイントを毎年度付与し、業績の達成度に応じて付与する株式ポイントが増減します。このため、業績に対するコミットメントを強化するもので、株式ポイントは付与1年後に普通株式と金銭に転換される報酬となります。
人材パイプライン
当社グループは職能を主とする等級制度を志向しています。職能等級別に必要とされる基準を定め、職能評価を定期的に行い、原則年1回の等級決定を実施します。昇格あるいは降格に関しては社内手続きにより判定基準を設けています。また、評価に関する事項に加え、自己実現のためのキャリアアップの相談などの機会も人事ポリシーに基づき設けています。
新卒などの導入研修では当社グループ従業員として基本的な行動を促すための企業倫理研修を含む継続的な研修を、また新任管理者研修や次世代経営者の育成研修を行い、人材パイプラインの構築に注力しています。
グループ会社数の増加と社員の多様性の進展により現場管理職により、人材パイプラインのマネジメントは難度が上がっているため、当社(ホールディングス)の人材開発部門にて機能を強化することで、今後の人材パイプラインを着実に推進していく考えです。
・使用している専門ツール
ビジネススキルアセスメントテスト 「GMAP」
コンピテンシー360度評価 「GROW360」
・階層別のプログラム例
対象社員1,700名
キャリア研修 2回/年
リーダーシップ開発プログラム 2回/年
次世代経営者プログラム 2024年6月期スタート 1回
取締役会 次世代経営幹部との意見交換会 2024年6月期 4回
また社内にコーチング資格を有する人員をもち、人材サービス事業の組織や文化に合うリーダーシップスキルの習得や向上を、自社で持続的に推進していけるよう取り組んでいます。
・専門的な資格やプログラム
当社グループは事業遂行に必要な資格の取得をすべての従業員が取り組むことができるようにしています。事業に必要な、安全衛生管理者、派遣元責任者資格、の取得においては教材や講習のための時間確保等を用意します。
また、ビジネススクール(グロービス)が監修したラーニングシステムを全従業員が自由に選択して学ぶことができます。
技術社員別の能力開発研修、資格取得など
当社グループの事業の強みと特徴は、新卒等の未経験から技術社員として就業できる人材開発であり、技術社員の専門性に特化した研修制度、資格取得支援、等級グレードの昇格の体制を、グループ各社で備えています。
一人ひとりのキャリアの転機や働き方の希望を把握し、意欲ある技術社員には新たな業務への異動や研修の機会を用意することで、社員が目指す未来の自分の姿に向かってキャリア展開できるよう継続的に仕事へのチャレンジを支援しています。
関連データ
詳細は非財務情報の「人材への投資やウェルビーイングに関する情報」をご参照ください。
・のべ研修時間(2024/6期): 1,794,642時間
・のべ研修受講者数(2024/6期): 43,096名
・総教育研修投資額(2024/6期): 3,259百万円
機電分野の技術社員向け
事業内容
機械工学、電気工学、電子工学を中心に関連する領域を扱うエンジニアが活躍し、業界も自動車関連、機械、電気、半導体、IT・ソフトウェアなど多岐にわたっています。
エンジニアの研修制度と
バックアップ体制
専門部署として「キャリアセンター」を設け、就業中のエンジニア支援を幅広く実施。
株式会社ビーネックステクノロジーズとの窓口としてエンジニア全員にスマートフォンを貸与し、社内イントラネット「ネクステーション」を整備して、円滑なコミュニケーションが取れる体制を構築しています。
また、880講座以上の研修プログラムを設けているのはもちろん、特徴としては、半年毎に実施される「キャリアブラッシュアップ」制度があげられます。 単純なスキルアップ研修ではなく、内製化したオリジナルコンテンツでのweb研修と合わせて、自分自身でキャリア・スキルの棚卸しを行い、目標設定を行う研修を設けることで、年に2回これまでの振り返りや目指す未来について考える機会として活用されています。
IT分野の技術社員向け
事業内容
リーディング産業として成長している反面、労働人口不足が顕在化しているIT領域において、未経験から技術を学び、活躍しているエンジニアを多数輩出しています。
エンジニアの研修制度と
バックアップ体制
未経験からITエンジニアへと成長することのできる、充実した研修制度が設けられています。
入社時研修後は、スキルレベルに合わせて「基礎研修」(約1か月)、「IT高度技術研修」(約2か月)を段階別に受講し、IT高度研修では認定資格を取得することができます。
現在はクラウドを扱えるエンジニアの育成に特に力を入れており、就業後も、タイミングに合わせて「IT高度技術研修」やeラーニングなどが受講可能です。
また、次代のエンジニアへのチャレンジを応援する「キャリアデザイン制度」を構築。 スキルを軸にした職位と昇格制度があり、職位に準じた給与モデルが明確化され、キャリアデザインやスキルマトリックス等は社内イントラネット「てくなび」でいつでも確認できるよう整備されています。
建設分野の技術社員向け
事業内容
建設系技術者の高齢化による人材不足が深刻化している中で、施工管理技士などの派遣等における日本のリーディングカンパニーとして、未経験からの人材育成を得意とし、多くの若手技術者が活躍しています。
技術者の研修制度と
バックアップ体制
研修専門の施設として、模擬現場を擁した「夢真トレーニングセンター」を設置。
入社時には基礎的な研修(座学・技術研修)はもちろん、仕事に対する心構えやビジネスマナー全般を学習し、未経験者を建設領域で働ける人材へと育成しています。 ヒューマンスキルの向上に重点をおいている点が「夢真」が選ばれる理由であり、また求められている点でもあると考え、取り組みを進めています。
また2021年4月より「施工管理技士補」が国家資格として認定されたこともあり、資格取得を奨励。 タイミングに合わせて階層別の研修を実施し、eラーニングの体制も構築中です。 キャリアのステップとして、資格取得後に取引先企業へ転職する技術者もいます。
サポートチームによるバックアップ体制も整備されており、定期的なヒアリングや現場訪問に加え、技術者の交流会も開催されています。