価値創造モデルについて

当社グループは、パーパスの実現を目指すことが中長期的に価値を創造し、かつ社会の持続的発展に貢献できると考え、価値創造モデルを策定しました。

策定にあたっては、ベンチマーク企業の分析や経営幹部ヒアリングを基にサステナビリティの担当部門でドラフトを作成し、ドラフトをもとに幹部ワークショップを実施し検討を進め、取締役会での意見を踏まえて最終化しました。

IIRC(2022年よりIFRS)の統合フレームワークをベースに、「外部環境変化」「インプット」「事業活動」「アウトプット」「アウトカム」の流れに沿ってまとめたものが当社グループの価値創造モデルであり、アウトプットとアウトカムとその良い影響を通してパーパスが実現されると考えています。

価値創造モデルの図
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外部環境変化

当社グループに影響が大きいと考える外部環境の変化を中心に検討しました。

多種多様なステークホルダーへの影響を、企業が見極める重要性が増している流れの中で、当社グループの人材サービス事業においては、日本では労働人口が減少していること、技術革新により人材に求められるスキルが変化してきていることなど、主に人に関わる外部環境変化と関わりが深いと考えています。


Politics

  • 「ステークホルダー資本主義」の潮流
  • 人権や派遣等に関する法令・政策の進展

Society

  • 日本の労働人口の減少
  • 人材のダイバーシティ&インクルージョンの進展
  • 職業観・就労観の変化(新型コロナウイルス感染症のパンデミックや安全保障などの変化の影響)

Technology

  • ICTの進展がもたらす人材サービスのビジネスモデルの変化
  • 技術・技能社員に求められる技術のパラダイムシフト

インプット

総合フレームワークの6つの資本に沿って検討を行い5つの資本をインプットと捉えています。

当社グループは、人的資本と知的資本を掛け合わせ、時代や業界に応じたスキルを保有する技術・技能社員を顧客のニーズに応じて提供しています。 特に未経験者を含む多様な技術・技能社員(=人的資本)に対して、実務に必要でキャリアの構築に結びつくリスキリングの機会提供や資格等の取得を進めるノウハウと環境があります(=知的資本)。

また人材サービス事業を取り巻く社会関係資本は、国による適正な労働者保護と規制緩和等による派遣市場の活性化、派遣に対する顧客企業の理解と協力体制の浸透、労働者にとって働き方としての社会的期待になります。

調達する財務資本は、効率的な経営と透明性のある企業統治を通じて、持続的に増収増益を志向し株主への還元を高めます。 なお事業の特性から自然資本を多く要しませんが、気候変動への対策に積極的に関わり持続可能な社会へ貢献します。

なお、製造資本については人材サービス事業においてはほぼ該当がないと判断し、除外しています。


人的資本

  • 多様な技術・技能社員
  • 従業員(営業や採用、本社機能)
(例)
採用(新卒、中途採用)
未経験者・女性・外国籍・シニア・障がい者の活躍

知的資本

  • 人材を育成する研修体制やノウハウ
  • 新たなキャリア形成を支援する体制・制度
  • 有用・必要となる資格や研修の見極めと整備
(例)
研修種別
研修時間や費用

社会関係資本

  • 派遣やアウトソーシングへの社会的要請、法令整備
  • 人材サービス業界、顧客企業とのリレーション
  • 地域創生への貢献
(例)
取引先企業数
ビジネスパートナー数
規制あるいは緩和の関係法令

財務資本

  • 機動的に戦略を立てることができる安定した財務基盤
(例)
株主資本
有利子負債
成長投資(M&A)

自然資本

  • 活動や購買を通じた気候変動対策
(例)
エネルギー消費やCO2排出量削減

事業活動

当社グループは、労働市場・人材と顧客のマッチングによって就業機会を創出し、やりがいのある仕事を提供することによる就業の継続をビジネスモデルとしています。

事業活動を行ううえで重要課題とするマテリアリティ4つを特定し、「安全や安心を守る事業基盤」「透明性の高い組織」をビジネスの土台とし、「労働市場の持続可能性への貢献」「キャリア形成とライフプランの両立支援」に取り組むことで、価値創出を目指します。

この4つのマテリアリティの取り組みに関する目標は、BY25の<オープンアップ・パーパス・インデックス(OPI)>の目標でもあります。

アウトプット

当社グループは人材サービスを提供するビジネスモデルであることから、事業活動を通じて発揮される人的資本、特に技術・技能社員(派遣先等の外勤社員)に関する事項をアウトプットと定義しています。

特に重視しているのは、技術・技能社員の広がりや活躍の進展を表す5つの<OPI>であり、パーパスの実現度を示すものとなります。またその他に技術・技能社員の多様性や研修に関する事項、安全衛生に関する事項などに当社事業のアウトプットの特長が現れると考えています。


OPI

アウトプットの一部でありマテリアリティの目標

  • 社員数 BY25期間の最終2025年6月末: 30,000名
  • 仕事との出会い BY25期間での累計: 50,000件
  • ステップアップ: BY25期間でのミドルレベル到達社員数の累計: 6,000名
  • 定着率 BY25最終年度の2025年6月期での: 85%
  • エンゲージメント BY25 期間の初年度から2025年6月期: 1.2倍

※BY25(2025年6月期まで)における達成目標値


アウトプットのその他の情報

アウトプットの一部でありマテリアリティの目標

  • 技術・技能社員 女性比率
  • 技術・技能社員 外国籍比率
  • 技術・技能社員 シニア比率
  • 技術・技能社員 障がい者比率
  • 技術・技能社員 顧客先への転職者数
  • 資格取得者数
  • 重篤な労働災害の発生件数 など

※BY25(2025年6月期まで)における達成目標値

アウトカム

当社グループでは、ステークホルダーを「技術・技能社員(派遣先等の外勤社員)」「従業員」「社会」「顧客」「株主・投資家」とし、それぞれへの提供価値を明示しています。

また人材サービス業という特性上、技術・技能社員と従業員を個別のステークホルダーに区分しています。

ステークホルダーへの提供価値


技術・技能社員

多彩な仕事との出会い、当社グループが持つノウハウ、研修・OJTやバックアップサポートを通して、各人の可能性をのばし多様なキャリアの扉を提供すると共に、新たなキャリア形成の機会を支援します。 キャリアの一つとして顧客企業への転職の可能性があれば応援します。


従業員

パーパスに基づきやりがいのある仕事とエンゲージメントを通して、多様な環境・ライフステージにおいてもパフォーマンスを発揮し、キャリア形成できる環境を整備します。


社会

これまでの事業活動で培った経験を生かして多様な働き方を提案し、人材のプラットフォームとして、労働市場の持続可能性に貢献します。


顧客

進化するテクノロジーや変化する事業環境に対して顧客企業が必要とするエンジニア等の人材ニーズに応え、顧客企業の人材戦略に貢献します。


株主

適時適切な情報開示と建設的な対話を通して持続的な企業価値向上に取り組み、投資家の皆様への長期的なトータルリターンを提供します。