【研究の背景】

ビーネックステクノロジーズでは、向上心を持ったエンジニアがより才能を発揮でき、より必要とされる「次」を選択できる環境の実現を目指しています。
機械・電気領域のエンジニア需要は近年高まりを続け、市場の人材不足は既に深刻な状況となっており、今後人生100年時代が見据えられる中、企業には労働者一人ひとりが主体的にキャリア形成を行うことができる環境の整備が必要とされています。ビーネックステクノロジーズは、このようなエンジニアの需要や労働者の主体的なキャリア形成という社会的課題の解決に貢献するべく、「エンジニアのキャリア形成支援制度」の構築を進めることとなりました。

【結果の詳細】

1、キャリアについて

「自分のキャリアを決めているのは私だ」という質問項目に対し、若手(18 歳~27 歳)エンジニアの約6565%が「そう思う」と回答。一方で、「そう思う」と回答した若手エンジニアのうち、4343%が「将来の自己像を簡単にイメージできない」と答えています。
ここから、若手エンジニアの6割以上が「キャリアの自己決定意識」を高く持ちながら、その多くが「将来どうなりたいか、何をしていたいのかがわからない」、つまり意識と実態にギャップを抱えていることがわかりました。

img02.jpg
img03.jpg

2、会社とのコミュニケーションについて

エンジニアとのコミュニケーション窓口の一つである担当営業の対応について調査しました。「担当営業は私の話を理解してくれると感じる」と思うエンジニアの、30.130.1%が「現在の会社(派遣元企業)で働き続けたい」と答え、「担当営業は私の話を理解してくれる」と感じていないエンジニアの約3 倍の結果となりました。

img04.jpg

また、「あなたの『強み』や『可能性』に関する会話が多い」と思うエンジニアについても、33.133.1%が「現在の会社(派遣元企業)で働き続けたい」と答え、「『強み』や『可能性』に関する会話が多い」と思っていないエンジニアの約2 倍の結果となりました。
これらのことから、会社とのコミュニケーションの質(傾聴的態度、個々の強みや可能性に関する対話)が高いほど仕事の継続意識が高くなることがわかりました。

img05.jpg

3、仕事のやりがいについて

「意義のある仕事に出会えた」と思うエンジニアのうち30.030.0%が「現在の会社(派遣元企業)で働き続けたい」と回答しました。これは「意義のある仕事に出会えた」とは思っていないが、「現在の会社(派遣元企業)で働きたい」と答えたエンジニアの2 倍以上の数字です。
このことから、意義のある仕事をしているかが仕事継続の意識に影響していることがわかりました。

img06.jpg

【古田准教授のコメント】

「キャリア意識は高い」が「将来の自己像を簡単にイメージできない」という、若手エンジニアの意識と実態のギャップの存在を明らかにしたことは大きな発見でした。担当営業とエンジニアのコミュニケーションの質を向上させる取り組みは、エンジニアの就業継続意識を高めるだけでなく、エンジニアの自己一致(意識と実態のギャップのない状態)を促すことにも繋がると思います。本調査の結果から、担当営業にはコーチングスキルとカウンセリングマインドのスキルアップを、エンジニアには共感力と心理的柔軟性の向上を促す取り組みが有効だと考えています。